「内なる国際化」プロジェクトの一環として社会学部で開講されている、新垣修先生(明学非常勤講師/ICU教授)の「内なる国際化論A」の授業で難民問題について学んだ社会学科3年生の入谷萌さんが、ICUでのシンポジウム参加レポートを届けてくれました。入谷さんは、「ボランティア実践指導」の授業で難民などの子どもたちのための夏季学習支援教室での活動にも参加しました。以下をご覧ください。
末尾に、入谷さんが関わっている「内なる国際化」プロジェクトのイベント(10月21日)についても紹介してくれています。
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9月23日(土曜)に、国際基督教大学(ICU)で開催されたシンポジウム「国際法における『戦争難民』、そして市民社会の役割」に参加してきました。ヨーロッパで日々難民と向き合っている弁護士や難民支援団体の方がゲスト報告者として登壇しました。お話しをお聞きして、日本には難民に関する課題がたくさんある現実を突きつけられる経験をしました。
世界でおよそ6,560万人が、戦争などで居場所を奪われた難民となっているそうです。そのうち半数は18歳以下で、高等教育を受けられるのはそのうちの1%だけというのが現状のようです。日本の大学にとっての課題は、難民学生の受け入れをどう増やしていけるのか、大学に受け入れた先にある就労への支援をどうするのか、などです。そもそも、現在の日本の大学では開講科目がほとんど日本語で提供されるため、まずは日本語を身につけないと授業についていけないという基本的な問題もあります。さらに日本に住む難民の受け入れに比べ、現地から呼び寄せるケースでは学費だけでなく金銭的なコストも大きくなります。
金銭面の問題に対する解決策の一例として、あるカナダの大学では、学生各自が授業料にプラスして40セント〜2ドル52セントほどを支払い、それを難民学生に寄付する案を学生投票によって採択し、難民学生に対して授業料を低く設定した事例が紹介されました。その事例では、住む場所も無償で用意されているとのことです。
ほかにも、日本社会の課題として、難民申請時には申請者本人のみが大量の証拠を集めなければならないことが挙げられます。本人に関するものは別として、その国で何が起きているかは審査側も調べるができるのではないかという話もありました。
今回のシンポジウムに参加して、人一人が生活していくことの重み、それを支えていく責任を痛感しました。ただ単に、受け入れればよいというのではなく、その先にあるその人の将来も考えいくことが大切であると気づきました。
-あなたの身近に「外国人」はいますか?-
私が参加したシンポジウムの内容にもつながるテーマのイベントを開催されます。外国にルーツを持つ方をゲストにお招きした交流型のイベント「With us, For us -世界と私で創る未来-」を10月21日(土)に明治学院大学白金キャンパスで開催します。
現在、「内なる国際化」について学ぶ社会学部の学生有志が中心になって、学生の皆さんが気軽に参加してもらえるような内容にしようと準備を進めています。集まった参加者とゲストが交流する場、少しでもお互いを知るきっかけになればと思っています。
きれいごとではなく、みなさんの素直な思いを一緒に語り合ってみませんか?
詳細は下の画像をクリックして拡大したチラシを見てください。
(社会学科3年生 入谷萌)