シンポジウム:「内なる国際化」を考える,を開催します

「内なる国際化」を考える

 日本国内における外国につながる人たちの数は、年々増加傾向にあります。法務省によれば、 2014年末の在留外国人数は,212万1,831人。前年末に比べ5万5,386人(7%)増加しています。 これらの人たちの国籍だけをみても、中国、韓国・朝鮮、フィリピン、ブラジル、ベトナム、米国、 ペルー、タイ、ネパール、台湾と実に多様です。また、在留資格別では,「永住者」、「特別永住 者」、「留学」、「定住者」、「日本人の配偶者等」と、様々な背景を有しながら生活している ことが分かります。

 文化や宗教、民族の違いから生じる多様な価値観を理解し、相互に尊重しながら共に暮らしていける共生社会のために、私たちが今、知るべきこと、考えるべきこととは何か。今回のシンポジウムでは、労働政策研究、多言語多文化のネットワーク論、更に外国につなが る人たちの日本における生活課題について、各分野で研究、実践を重ねている方々から、問題提起 をしていただきます。

 これらの議論を踏まえて、「内なる国際化」の現在を知り、今、私たちが何をするべきかを考えていきましょう。

日時 2016年10月17日(土) 午後1時~5時
場所 明治学院大学白金校舎 1201教室
プログラム 開会の挨拶:永野茂洋(明治学院大学教養教育センター長)
趣旨説明:高桑光徳(明治学院大学教養教育センター教授)

第1報告:鈴木江理子「多文化化する日本を考える-共に生きる社会を目指して」 (国士舘大学文学部教授)
現在の日本には、日本国籍を持たない者(外国人)や外国ルーツの日本人が生活し、働いています。このように多文化化 する日本の現状を理解するために、外国人受入れ政策の戦後史を概観するとともに、彼/彼女らが置かれている状況を、 「不平等」――「日本人」と同じではない――という視点から、主に労働と教育を中心に考えます。

第2報告:長谷部美佳「人とのつながりと多文化共生」(東京外国語大学特任講師)
日本に定住、あるいは永住する外国人は、増加傾向にあります。すでに長い人は30年以上日本で暮らす人もたくさん います。問題を抱える人もたくさんいる一方で、エスニック・コミュニティや日本人とのつながりを上手に活用しながら、地 域社会で積極的に活躍する人もいます。人と人とのつながりという視点から、「多文化共生」のあり方について考えます。

第3報告:松野勝民「外国人医療から見える生活課題」(MICかながわ理事長)
外国につながる人たちが日本で生活するうえで、最も危機的な事態の一つは、家族が病気になった時でしょう。疾患や治療 に関することだけではなく、病院システム、医療保障制度についてなど、「言語や文化の壁」を身をもって体験する場面でも あります。医療通訳派遣のNPO運営から見えてきた生活上の課題について語っていただきます。

<休憩:10分>

討論者1:大瀧敦子(明治学院大学社会学部社会福祉学科主任)
討論者2:浅川達人( 明治学院大学社会学部社会学科主任)
報告者リプライ 全体討論(司会:高桑光徳)

閉会の挨拶:野沢慎司( 明治学院大学社会学部長)

主催 明治学院大学教養教育センター
明治学院大学社会学部